2014年03月12日

in宮﨑

3月12日に宮崎市において

「開局薬剤師による在宅医療への取り組み
    ~一人でも多くの「笑顔」を願って~」という題で講演会を行って来ました。

とても楽しかったです

宮﨑は日本で在宅医療の有名な萩田先生のお膝元、

緊張というものを久しぶりに感じましたが、

一言しゃべり出したら止まらない

盛り上げました。

とても勉強になった宮﨑への旅でした。

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2013年12月27日

悲しくて

今月始まった新患さんのところに行きました。

服薬状況が悪くて、もう何ヶ月も服薬出来ていない状態 残薬もスゴイ状況でした。

患者さんと何で服薬しないのかなど、服薬の重要性などを話していると

突然、横から男性が割り込んできて、薬を取り上げ

「お前は、薬を飲ませて家族ば殺すとや、自分の家族にもそがんことばするとや」

とその薬を私に投げつけてきました。

一瞬、何があったか解らず、薬投げつけられて痛いとか言う感覚より

何か悲しくて、一生懸命床にバラバラになった薬をひらっていました。

本人が何故飲まないのか、何故家族?がそんなことをするのか理解出来てないし、

イラッとするより、悲しくて悲しくて・・・。

在宅やっていればいろんな事があるって言うけど、辛い出来事でした。

2013年09月11日

嬉しいですね

 先日亡くなられた患者さん宅に訪問しグリーフケアを行って来ました。

そしたら、患者さんのお孫さんがありがとうと絵をくれました。

在宅をやってて良かったと思った瞬間でした 。

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2012年10月31日

昆布の味噌漬け

 平成24年10月31日、今日もいつものように在宅に回りました。

今週の金曜日は介護支援専門員の更新研修があるため在宅に回れません。

それで主治医と患者さんの許可を得て、早めに訪問させてもらいました。

ある肺の疾患を持っている患者さん宅に訪問したら、玄関を入るなり

良い匂いが漂っていました。そう、昆布だしの匂いでした。

いつものように居間で薬を渡し、バイタルをとり世間話をしていました。

昆布の匂いが気になったので、「今日は何かしよっと?」と尋ねたところ

私は体が悪くて買い物や近所のことも何も出来ないから

せめてもの御礼にと、毎年北海道から歯舞昆布を取り寄せて作って

近所の方や買い物をしてくれた方に配っているとのこと。

今日新しく作るから、去年漬けた分を少し私に分けてくれた。

壺を空けると味噌と昆布の甘い匂いが部屋中に立ちこめ

それだけでご飯が何杯も食べることが出来るような気になり

急にお腹がすいてきた。

ホント小さな出来事だけど、在宅でしか見ることの出来ない

患者さんの気持ちを見ることが出来たのが一番嬉しかった。

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2011年05月28日

在宅医療の推進と薬局

 2011年5月28日 長崎市にある紅葉亭において昭和薬科大学 串田一樹先生の講演会が開催されたので、参加してきました。

今回の先生のメッセージは
●医療の提供概念が変わってきていること。
   生活者の視点
   CUREからCARE
●人生の最後をどこで迎えるか
●医療の自己決定

実際臨床をしている薬局薬剤師の視点、大学の先生の視点など違いはあるものの、患者のために必要なものは変わらないんだと言うことを再認識できました。

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2011年03月10日

長崎薬剤師在宅医療研究会(P-ネット)

 平成23年3月9日(水)長崎市にあるブリックホール会議室にて長崎薬剤師在宅医療研究会(P-ネット)の研修会があり参加してきました。

今回は私が講師を務めました。実は今回私にはちょっとした野望があって、自分がどこまで出来るかを試してみたかったんです。

どんなことをやりたかったかというと、プライマリーケア集中講座で講師をしてくれた石川先生のようなパフォーマンスをして、みんなが、少しでも考えつく研修会にすることでした。

この研修会の話が来た時に、世話人の中野先生に、単なる講演会ではなくグループセッションをしたいと申し出ました。

私の野望のスタートです。

資料を作り、準備万端なのですが、私の中にも不安があります。

今まで、講演という形で一方的に話を押しつけることは何度と無くやっていたのですが、フロアーとディスカッションしながらやる方法は初めてだし、シナリオを作ることも出来ないので、きちんとゴールに導くことが出来るか不安でした。

時間とは皮肉なもので、どんなに不安でも、興奮していても1秒1秒開始の時間は近づいてきます。

さて、待ちに待った開始の時間がやってきました。

期待とやる気120%で望みました。

まずは石川先生直伝の答えが重要ではなくて、話すカテゴリーが重要、自分と違う考えがあると言うことに気付かせることが重要を柱に、健康とは何か?今の自分が健康に過ごすために重要なトップ3、80歳で独居になった場合の健康に過ごすためのトップ3など、グループ討論をさせ、それを全体でまとめることをやりました。

私がみんなにたどり着いて欲しかったゴールは、患者さんのニードが自分のニードとは違って、それをはき違えると大きな間違えをする。物事には色んな切り口があるんだと言うことに気付くことを目標としました。

実際やっていると、ライブですし、シナリオもない訳だから脱線しかけたり、まとめきれなかったりと、本当に難しいと言うことを知ることが出来ました。

それをいとも簡単にやってのける石川先生は私の目標です。(当たり前ですよね年期が違うし。。。)

その後斑に1つ在宅の症例を渡し、患者のニードを考えた処方設計をしてもらいました。

予定より15分程度延長してしまったけど、どうにか無事に終わらせることが出来ました。

今回の勉強会でも、私が一番勉強させてもらいました。

皆さんありがとう!

またやりましょう~~~次はもっともっと上手になっておきます。

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2011年03月04日

在宅ポスター

 昨年長崎県薬が作成した「ご存じですか薬剤師の在宅」というポスターができあがり、長崎市の医院や薬局に配布されました。

ななしま薬局でもどこに貼ろうかと、スタッフと考えています。

今から高齢者や通院困難な患者さんが増える中、我々薬剤師も医療従事者として何が出来るか、どうしたら患者さんや家族が幸せになるかを考えながら、この在宅医療に取り込んでいきたいと考えています。

薬のことで困ったり、通院がなかなか難しいと感じられた方はこのポスターの貼ってある、医院・薬局で相談してみてください。

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私の薬局にも貼っています

2011年01月20日

嬉しい話

 ニュースで取り上げられているように、今長崎はインフルエンザが蔓延しています。

今日も外来にはタミフル・リレンザ・イナビルを求めて、多くの患者さんが来局してくれました。

使用方法や副作用などを説明していると、通常の風邪よりもどうしても時間がかかってしまいます。

それに加えて、薬剤師不足で午前中は外来にはまっていました。

それでも頑張って、やっと終わらせて在宅に出かけたのが14時頃

いつもよりかなり遅れての出発でした。

本来ならあらかじめ遅れる旨のことを電話をかけておかなければいけないのですが、バタバタしていてそれすら行えませんでした。


3件目に訪問した患者さん宅で「先生どうしたの?今日は来ないのかと心配しました」と私が訪問するなり手を握ってきました。

患者さんに遅れた理由を説明し謝罪をしたら、「先生が元気に来てくれたらそれでよかとよ」と言い、

「外は寒かったでしょう、美味しゅうなかけど、茶ば飲んで行かんね」とお茶まで入れていただきました。

自分の訪問が本当に利用者さんに為になっているのか不安を感じていたこの時期に、ホット心が温まるとても嬉しい出来事でした。

2010年11月15日

ちょっと恥ずかしいですが・・・・

 平成22年11月14日(日)の地元の長崎新聞に「長崎市で在宅に取り組む薬剤師」に関する内容で

掲載されました。

自分を新聞で見ると、何と言っていいか判らない恥ずかしい気持ちになりました。

内科医の白髭先生を初め、多くの方より応援メッセージもいただき、大変嬉しく思っています。

ファイルをダウンロード

2010年08月23日

グリーフケア

「グリーフケアー」って何って質問がありました。
グリーフとは英語でGRIEF。直訳で深い悲しみ、悲嘆、苦悩、嘆き と言う意味があります。

身近な人と死別して悲嘆に暮れる人がたどる心のプロセス。悲しみから精神的に立ち直っていく道程。喪の作業。癒しの作業。を「グリーフワーク」と言います。

身近な人と死別して悲嘆に暮れる人が、その悲しみから立ち直れるようそばにいて支援すること。一方的に励ますのではなく、相手に寄り添う姿勢が大切といわれています。
遺族はやがて、故人のいない環境に適応して、新しい心理的・人間的・社会経済的関係を作っていきます。「グリーフワーク」を経ることで、人は人間的に成長するのです。
そのプロセスを支えて見守ることを「グリーフケア」と言います。

「グリーフケアー」と私も言葉だけは使っているのですが、上記に示した教科書的な事は出来ていないと思います。

実際は家族と会い故人の話をしたりしてしばらく一緒に同じ時間を過ごすことくらいしか出来ていません。
これで、故人を失った家族が精神的に立ち直るとは思えません。

このような精神的なサポートについては、薬剤師も、これから益々習得していかないと行けない領域だと考えています。

2010年08月17日

嚥下困難な患者さんに対して

 先日、とあるルパーさんと話をしていたら、「患者さんが錠剤をうまく飲んでくれないから、わざわざ包丁の裏側でつぶして飲ませているんですよね」という事を打ち明けられました。

 その患者さんが、どんな薬を飲んでいるのか私の患者さんではないので良く分かりませんが、徐放性製剤や腸溶錠をつぶして飲ませたら、薬が急に効いて副作用が起きたり、薬が全く効かなかったりすることがあります。

 もし、高齢者に薬を飲ませることで困ったら、自己判断で薬を割ったりつぶしたりしないで、どこの薬局でも良いので薬剤師の先生に相談して下さい。 きっと親身になって相談に乗ってくれるはずです。

勝手に錠剤をつぶして服用させて副作用が起きたら、とんでもない事態を招いてしまいます。

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有核錠です。
外の錠剤が溶けた後に、内側の錠剤が溶けて12~24時間効果があるように作ってあります。
これをつぶしたり、割ったりしたら、一度に薬が効いてしまいます。
注意しましょう。

2010年05月05日

休日の在宅

 世間ではGW中ですが、3・4・5日もいつものように患者さんのお宅に訪問してきました。

いつものことですが、「休みじゃなかとね?」「昨日先生も来たよ!」「他にすることなかとね?」という3つのことをほとんどの方から言って頂いています。

私は「他にすることのなかとですよね~」と答えていますが・・・・。

在宅の講演会に行ったときでも、多くの先生方から「休みに廻るなんて先生だから出来るんですよ」と良く言われることがあります。

私が特別だなんて思っていませんし、思いたくもありません。

13年前に在宅を始めたときからこのスタイルは大きく変わっていません。
在宅を始めた頃は、休むと「もう来なくていいよ」「休みでいいですね」と言われそうな気になっていました(実際言われたことはありません)。

きちんと計画を立てておけば、休むことは充分に出来ると思います。

ただ、当時は恐怖心から休日の在宅を行っていたのですが、今はその恐怖より、患者が気になるから廻っている。と言う方向へシフトしてきたように感じます。

 

2010年01月23日

医師と在宅

 第3次対がん総合戦略研究事業(OPTIM)の意見交換の趣旨で千葉県松戸市にある在宅専門のあおぞら診療所の高谷先生が長崎に来られています。

 1月22日長崎がん相談支援センターの依頼で、高谷先生と一緒に在宅を行ってきました。
 
担当の白髭先生から「気軽に楽しくお願いいたしますね。」とメールを頂きましたが、同行する私はそんな軽いのりでは・・・という気持ちでした。アドレナリン全開と言ったところでしょうか・・・。
前夜なかなか眠れずに仲間にメールを打ちまくっていました。

在宅件数は確かに数多くあるし、多くの薬学生・薬剤師の先生と一緒に在宅をしてきましたが、医師と一緒に行うのは今回が初めてだったからです。

事務的な手続きをしてくれている長崎がん相談支援センター平山さんと打ち合わせをして、朝10時に薬局にご足労してもらい在宅開始。
本当の話、すっごく緊張していて第一声のキーが高いこと><

移動を開始してからも緊張していたのですが、高谷先生の人柄がその緊張をほぐしてくれて5件の在宅をまわることが出来ました。
移動しながら在宅とは?在宅と外来の目線の違い、どうしたらモチベーションを上げられるか等いろんな話をすることが出来ました。

一番嬉しかったのは、今までは薬剤師の先生との同行で同じ目線でしか切り口を作れず、行き詰まりかけていたものが、医師と言う目線で切り口を作ってくれたので「そんな考え方もあるんだ」と新しいものに気づくことが出来ました。
さすが在宅専門医です。

大切なの事は、せっかく気づかせてもらったことを、今後につなげることが出来るかどうかなのですが・・・・。
頑張らないと。

高谷先生と同行した3時間はとっても良い思い出になりました。
またいつか高谷先生に会いたいと願っています。

2010年01月13日

大雪と在宅

 平成22年1月13日長崎は大雪のため交通マヒが起こっているし、JR通勤をしたため在宅を行う足がありませんでした。

雪が降っても患者さんが飲む薬はなくなっていくわけで、薬局のスタッフもきてくれたのでいける分だけ歩いて在宅をまわってきました。
 
通常なら3時間近くで6~8件まわれるのですが、さすが雪の中5時間で6件しかまわれませんでした。

こんな積もった雪の中を歩くのは本当に何年ぶりで、以前はターミナルの患者さんがいたのでエンシュアを抱えて何キロも歩いた記憶があります。でも今回は内服・外用のみで荷物自体が少なかったので救いです。

雪の中を歩くと車が通っていないのもあるからでしょうか、雪が音を吸収するからでしょうか、本当に静かな白い世界の中を黙々と歩いてきました。

まわる患者さん宅では、訪問したことを心から喜んでくれて、雪でべちゃべちゃになった靴下でも良いから上がりなさい等暖かい言葉をかけてもらいました。

私の考えが正しいかどうか解りませんが、仕事で在宅を行っている以上「雪なので在宅できません」というのは納得できません。天気は患者さんが選んだものではないし、天気が悪いから薬を飲まなくて良いという理論にはぶつかりません。
これから在宅を行う薬剤師の先生がおられましたら、どんな状況でも待っている患者さんがいると言うことは覚えておいてほしいものです。

でも雪の中を2万歩以上歩くとさすがに体に応えました。

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2009年11月20日

初めての試み

 仕事に追われて本当に勉強不足を感じています。
昨日もある認知症患者さん宅を訪問しました。何故薬を服薬するのかさえ忘れています。訪問する度に薬の薬効を話し、何故薬を飲むのかを話してやっと飲んでもらえます。

 家族の協力があるようでなく、独居老人の認知症の服薬には問題点が山積みです。
今回服薬とリハビリを一緒にすると言うことを考えてみました。
いつもならば薬局で一包化をしてカレンダーにセットして服薬管理をしています。

一包化をしてカレンダー管理をすることは現行通りなのですが、一包化を患者宅で患者さんと一緒にやってみました。
自分が服薬する薬を一緒にヒートからバラして、それを袋詰めしていく課程を取り入れてみました。
上手くいくかどうかはわかりませんが、患者さんはそれなりに楽しんでくれたような気がします。自分の薬を作ることでどれだけ薬に興味を持ってくれるかは定かでありませんが、しばらく継続してみようと思います。
ただ、一人にかかる時間が数倍になったのも事実です。

2009年10月28日

薬-薬連携

 先日参加した第19回医療薬学会で病院薬剤師と薬局薬剤師の連携は本当に重要であることを感じました。
 たまたま在宅を行っている患者さんが、ベッドが空いたら入院すると言うことを患者さんから聞いていたので、入院先の薬剤師の先生に診療情報提供書を書いてみようと思いました。

 書こうと思ってふと思ったのは、その患者は入院中に薬剤師さんの病棟訪問を受けていたのか判らない・・・。患者さんに「入院中、薬剤師の先生はベッドサイドに来ていましたか?」と聞いても「どうだったかな?」という返事でした。

 いろいろ考えても仕方なかったので、実際出してみることにしました。
受け取った先生がどう感じるかを知りたいと思いますが、病棟活動がされているかどうかも定かでは無いので、この診療情報提供書が病院と薬局をつなぐものになればいいなと思います。

 フォーマットをどのようにしようかと、ネットで検索しましたが医師の分はあるのですが、薬剤師の分はうまく検索できなかったので独自のフォーマットで作ってみました。できあがったものは何ともいえないものです・・・・。

 これからも情報を提供して、返事が来たらこのあたりも改善していきたいと思います。

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2009年09月06日

一人?

 いま、ななしま薬局では月平均42件の居宅療養管理指導を行っています。そんな在宅の話しをする度に「一人でそんなにするなんて大変ですね」とよく言われます。
そんなこと言われるまでは思っていなかったのですが、私は一人で在宅をしているとは思っていません。

チーム医療というような綺麗な言葉ではないのですが、私はこの件数を一人でやっているとは思っていません。もし、私が一人で何でもやっていたら、とっくに投げ出しているに違いありません。患者さんの家を訪問するのは私なので表面上私が色んなところで話しをしているのですが、それをバックアップしている多くの人がいます。

処方箋を入力してくれる事務員、薬を準備してくれる薬剤師、40名の患者さんを訪問するため私はほとんど薬局にいません。その留守を守ってくれるななしま薬局スタッフ。これらの事まで一人でやっていたらこんな数字を維持できるわけありませんし、もし維持できたとしても私は間違えなく廃人になっているでしょう。

私は一人でやっていると思った時期もありましたが、実際行ってみたらそれが違うと言うことに気づきました。
これから在宅を始めようと思われている先生方、自分の気持ちをスタッフに伝えてみてはどうでしょうか。

2009年02月24日

簡易懸濁法

 ターミナルの在宅患者さんが嚥下困難になり鼻注投薬となりました。
医師が今ある分は自宅で錠剤をつぶさせるからと電話がありました。私は抗がん剤が投薬されており散剤化することでその抗がん剤による家族の被爆を懸念し、医師に錠剤をつぶさせることを中止させ、以前から中村美貴子先生から教えてもらった簡易懸濁法を使用することを思いつきました。

処方のほとんどが裸錠とフィルムコート錠で徐放性製剤は含まれていなかったので、使用方法を電話で説明し次の日朝から訪問・再度説明を行いました。

ポットのお湯2に対し水道水1を混ぜ、それに錠剤を5~10分間浸しておくという簡便なものです。
今回はお湯30ml、水15mlで使用しました。この2:1の割合で約55℃の水温になり、55℃がカプセルを溶かすのに必要な温度だそうです。

まだ私も1例しか使ったことがない技法ですが、現在も問題なく投薬できています。

2009年02月15日

経腸栄養剤プリン

 現在ターミナルの患者さんで嚥下がうまくいかず固形物が食べにくくなりました。先日諫早であった講演会の際、ペンギン薬局の中村美喜子先生に相談したところ経腸栄養剤をプリンにする方法を教えて頂いたので早速作ってみました。
使ったのは粉末寒天。近所のスーパーにも売ってありました。一箱税込み252円です。
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レシピーは最後に掲載しますが、まず粉末寒天を2gはかります。
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鍋に水200mlを入れ、粉寒天を入れます。火に中火でかけます。粉寒天は思いの外簡単に溶けます。
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粉寒天がちゃんと溶けたら、経腸栄養剤(今回はエンシュアHを使用)を200ml入れます。
この際経腸栄養剤を湯煎にかけ温めておいてください。
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経腸栄養剤はそれぞれに温める上限温度が決められているので、鍋に入れたあと沸騰させないように中火で混ぜ合わせてください。
寒天が入っているのでそこからこするように混ぜると良いかもです。
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温めたら素熱を取り、型に流し込みます。
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冷蔵庫で30分冷やしたら完成です。
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今回はエンシュアHを使用して作りましたが、中村先生が教えてくれた寒天2gで十分な堅さがありました。出来たプリンをスプーンの腹で押さえても崩れない堅さです。
食される患者様によって寒天の量を変えて作るのも良いかもしれません。
実際食してみると今回砂糖を全く加えなかったので、エンシュアを直接飲むときより甘みを感じませんでした。実際作る際は好みで砂糖等を加えても良いかもしれません

今回作ったのはコーヒープリンとバナナプリンです。
~コーヒープリン~
水 180ml
カルアコーヒー 20ml
粉寒天  2g
エンシュアH(コーヒー) 200ml

~バナナプリン~
水 200ml
粉寒天  2g
エンシュアH(バナナ) 200ml
バナナ 1本(みじん切り)

また色んなものを作ってアップしたいと思います。

2009年02月05日

考えさせられます

 今日在宅を行っていて、ある患者様の家族の方から母親(患者)に対する話を聞きました。私は毎日携わっている患者様だけれども、その周りにいる家族のことを時折忘れて医療の押しつけを行っているのではないかと考えさせられました。その方の許可を得たのでその話をアップします。
家族の方がどのような気持ちで患者様とふれあっているか、もう一度医療の原点に立って考えてもらえたら嬉しいです。


「たった 1つの命だから 」
私は大事に大切に優しく看取りたい
母は93歳 在宅で6年間、寝たっきりの生活。
8年前 認知症の発病、そして 昨年は 大腸癌発病
余命3ヶ月 手術をして元気になり 笑顔を見せてくれる母
癌の病巣は まだ残っているけど 大手術に耐えてくれ
私に いつも 優しく接してくれている母。
時として、私の事すら覚えていない母。 でも 私にとって この世でただ一人の母。
時として、涙する日々。 悲しい顔をしていると私の母親に戻ってくれます。
介護に明け暮れる日々。
手術をした事すら忘れている母。
それでいいの?痛く 辛く 苦しい事は忘れてください
排泄のお世話をする時「 ありがとう、 ごめんね! 」と言葉をかけてくれる母。
時として、娘の私の事を「 私の おかぁーちゃん 」と言ってくれる母。
残された時間がどれ程 残っているかわかりません
母と私にとって今 そして、今日と言う日が たった1つの時間 命です。
優しくできない時もあるけど 私は母の笑顔が大好きです。
93年間 たった1つの命で 7人の子供を育て 支えてくれた母。
命の火が燃え尽きる日まで そっと そっと 命の火を大事にしようね!
たった1つの命だから 
私の宝物だから
母が頑張ってるから
私も頑張れます
お母さん 「ありがとう」天国にいる父の所に行く日まで
頑張って 笑って 笑って 笑顔で生きようね
ありがとう お母さん たった1つの命だから

2008年10月31日

佐世保~

 昨日10/30に佐世保に「薬剤師による在宅への取り組み」について講演してきました。
佐世保で話をするのは2回目で、私がまだ病院勤務の頃佐世保市青年薬剤師会の先生に誘われて血中濃度について話した記憶があります。それから十数年経ってまた佐世保の地に建てることはとても嬉しいことでした。でも、アルカス佐世保って本当に綺麗ですね~。自分が話をするより初めて来るアルカス佐世保に興味がわきました。

 今回この在宅医療の内容で話すのは2回目なのですが、今回も私の在宅医療の恩師であるあんず薬局の徳永先生が見えられており、徳永先生の後に話すとあって緊張・・・・しませんでした。

 講演の後、県薬剤師会の中野先生や徳永先生やまじめな井手先生たちと打ち上げを行い、いろいろ教えていただいたのですが、佐世保はまだまだ在宅が進んでおらずこれからどうやって発展させるかと言ったところだそうです。そんな状態で私の話が佐世保の先生の発展につながればとても嬉しいですね。

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2008年09月26日

講習会

 昨日9/25に長崎県薬主催の「薬剤師による在宅への取り組み」という勉強会があり、講師という立場で参加してきました。
本来ならトップバッターで話をしてくれていわれていたのですが、ターミナル患者さんをかかえているため、その訪問が入り約束の時間にいけなかったため、最後に回していただきました。

30分という時間の中でどんなことを話すといいのかなぁと試行錯誤した結果、あまり重い話より導入になるような話を中心に行いました。
在宅を始めるきっかけや実際行ってみてどのように患者のライフスタイルに薬を合わせていったかを自分なりに話していったつもりです。

会場には本当にお世話になったあんず薬局の徳永先生も見えてくれていたので、これまで継続できたお礼を込めたつもりです。
これから何年在宅を続けていくかはわかりませんが、自分なりの研鑽を行っていきたいと思います。

2008年09月06日

11年前・・・

 ちょっと昔を思い出してみました。
私は国立長崎中央病院で勤務していた頃、今処方していただいている河野先生と知り合いました。本当に気さくな先生で東2階病棟で一緒に仕事をさせていただいていた頃、ある飲み会で「そろそろ家を継ぐから自宅に戻らなければいけない、一緒に在宅医療をしよう」と誘われました。それが事の発端で、私も飲んだ勢いで「はい」と答えていたようです。

在宅医療といわれても、病棟業務しかしたことがない人間。ましてや薬局運営なんて全く知らない状況で、後からとても怖くなりました。でも約束は約束。諸先輩からいろいろ教えていただき開局準備を開始しました。
薬局の開設に関してはどうにか辿り着けても、約束の在宅医療について何も解りませんでした。

そんな時、同級生が佐世保で在宅をやっているという情報が入ってきました。その先生はあんず薬局の徳永先生です。
その先生が開局のことや在宅医療のことを教えてくれました。

ある日在宅医療の見学中、その先生は道ばたに車を止め「ちょっとすまんな」といって、車から降りていきました。山道の家などない道で何をしているのかと思うと、徳永先生は道ばたの花を摘んでいました。
その花を数本摘むと、また山道を走り出しました。
十数分走ったところに平屋のアパートがありそこに入っていくと、徳永先生は「おじゃまします。きれいな花があったから持ってきましたよ」とおばあちゃんに微笑みかけ、机の上にあった花瓶(牛乳瓶だったような)に花を生けました。
そのおばあちゃんの笑顔は今でも忘れることが出来ません。

私も国立病院でいろんなことを学んできたつもりだたし、やってきたという自負は持っていましたが、このT先生の行っていることをみて、自分の知らない世界を突きつけられた気がしました。

今でも私の在宅には徳永先生が行った行為が手本となっていますし、これが在宅医療の始まりではないかと思っています。

2008年08月31日

担当者会議

 8月27日居宅療養管理指導を行っている患者様のケアマネージャーさんより連絡が入り、本日担当者会議を開催するので参加してほしいとの依頼がありました。

 認知症の患者様で、会議参加者は患者様のご主人、娘さん、担当ケアマネージャー、デイサービス担当看護師、私の5人でした。
最初に担当ケアマネージャーさんより紹介があり会議が開始されました。家族の方からの現状と今後の希望が報告され、それぞれの担当者が現状の報告、問題点を提示しそれを話し合う形式です。
私も数回しか担当者会議は参加したことありませんが、少人数であるにかかわらず結構緊張します。

 担当者会議は、自分に関係のある薬が他の担当部署でどのように関わっているかが確認でき、今後の問題点を十分に話し合える場です。今回の会議でも感じたのですが、それぞれの担当者が自己主張するだけではなく、サービスを受けている患者様、そのご家族が満足のいくものに作り上げていくことがとても重要であることを感じました。

2008年08月17日

すごいですね

 今日はそよかぜ薬局の休日当番でいろいろゆっくり自分のことをできる時間がもつことができました。
朝から山の上の患者さん宅の訪問で、雨が降ったせいで蒸し暑くあったのですが、森の匂いといいますか自然の匂いを全身で感じることができました。
 薬局で在宅の報告書や大学のレポートを書いている傍ら、横に目をやると日経ドラッグインフォメーションという雑誌がおいてありました。当直など時間があるときによく読ませていただいていたのですが、2008年7月号に在宅訪問初めの一歩 ケースに学ぶ新規参入のコツという特集が組まれていました。私が在宅を始めたとき佐世保のあんず薬局の徳永先生にいろいろ教えていただき、独学で進めてきたもので、このような特集があると自分がやってきたことが間違っていないか心配になって読んでしまいます。
今回の特集も読んでみようとページを開いたらどこかで見た先生が写っている出はないですか(*^_^*)
中村先生や佐田先生はPネットというグループで勉強をしてフォローしてもらったそうです。またそのグループではサポート薬局機能というものがあって、緊急の場合訪問できない先生の代わりに訪問してくれる機能だそうです。

私が在宅を初めて右も左も判らない頃こんなグループがあったら路頭に迷うこともなく、すんなり行うことができたのでしょうが・・・。
長崎でもこんな良い在宅の会があるんですね(*^_^*)

2008年05月30日

喀痰の吸引カテーテルの消毒方法についてpart2

喀痰の吸引カテーテルの消毒方法についてでもご紹介しましたが、内科医師と協議の結果気管内吸引チューブQ&Aに記載されているような7~8%エタノール添加0.1%塩化ベンザルコニウムを使用して吸引チューブを消毒し、吸引チューブの繰り返し使用を行うことのしました。

このHPにも記載されていましたが、エタノールを7~8%を含有することで、セパシア菌(Pseudmonas cepacia)等の増殖を抑えることが出来るとは知りませんでした。
また、目に見えた汚れの混入がなければ3日に1回の交換で良いと記載されていますが、医師との話し合いで2日に1回の交換で実施していくこととしました。

2008年05月22日

DOTSとは

DOTS(ドッツ)とは、WHO(世界保健機関)で考案した方式でDirectlyObservedTherapyShort-couseの頭文字をとったもので、 日本語訳としては 「直接監視下短期治療」 もしくは、 「対面服薬確認治療」 です。
DOTSの目的はきちんと薬を服薬させて、多剤耐性菌の出現を防いだり、治療効果を上げるものです。DOTSは、
(1) 結核対策への政府の強力な取り組み
(2) 有症状受診者に対する喀痰塗抹検査による患者発見
(3) 少なくとも、全ての確認された喀痰塗抹陽性結核患者に対する、適切な患者管理(直接監視下療法)のもとでの標準化された短期化学療法の導入
(4) 薬剤安定供給システムの確立
(5) 整備された患者記録と報告体制に基づいた対策の監督と評価
の5つの要素からなりたつ 結核の戦略です。

2008年05月20日

薬剤師の在宅医療って?

病院時代、私の恩師である内科の向原先生が一緒に患者さん宅へ連れて行ってくれ良く見学させてもらっていました。そんな私が在宅医療を始めて11年が過ぎようとしています。以前は医療のみで行っていた在宅が、平成12年の介護保険が制定されてからは介護保険と医療保険を使って行うことになりました。
同じことをするわけですが、医療は在宅訪問服薬管理指導、介護ならば居宅療養管理指導と名称が変わります。
現在医療保険での算定患者はおらず、全部が介護保険請求となっています。
先日ある先生と話していたら、「介護保険はサービスなんだよね!」と一言。確かに介護はサービスです。
居宅療養管理指導とは医療機関などから医師、歯科医師、薬剤師、管理栄養士が要介護者または要支援者の居宅を訪れ、療養上の指導やアドバイスを行うサービスの総称。
だから患者さんと契約をします。
毎日どこかの患者さん宅を訪問しています。なかなかゆっくり考え直す機会がありませんでした。契約するってことは、患者さんが満足しなかったら契約破棄されるってことですよね。
11年も過ぎると若干マンネリ化してきているような気がします。もう一度満足される在宅医療って何かと考え直したいと思います。

2008年05月10日

喀痰の吸引カテーテルの消毒方法について

 医療法が改正されましたが、在宅の需要が増えたとはまだ実感できません。ただ、最近以前と変わったと感じる手技があったので紹介したいと思います。

私が国立病院にいた頃、吸引カテーテルは使い捨てでしたが、途中で個人のものとして一定期間は消毒して使うようになりました。その消毒方法として、吸引後は水道を吸引し、その後0.05%ヒビテン液を吸引し、0.05%ヒビテンアルコール溶液を含ませた脱脂綿で拭いた後、0.05%ヒビテン液に浸けておくと言う手技でした。
 
 昨年在宅で受け持った患者さんが病院を退院する際、退院時の説明で吸引カテーテルは喀痰吸引後水道水を吸引し、そのカテーテルをティッシュで拭き取り乾燥した瓶に入れ、乾燥させて次ぎまた使うというものでした。

日本看護協会ホームページの感染管理Q&Aに
http://www.nurse.or.jp/nursing/practice/anzen/q&a.html
Q11.当院では吸引カテーテルを再利用している。ディスポが理想であることは分かっているが経済的な問題があり、各勤務対に1本ずつ使用することにしている。その場合の消毒方法はどうすればよいか。
A.期間吸引に使用する場合は無菌操作が原則ですので、滅菌された吸引チューブを使います。しかし、在宅療養において、やむを得ず再利用する場合には消毒剤に浸漬方法と、乾燥させて使用する方法があります。

と記載されていました。
ちょっと浦島太郎になった気分でしたが、在宅患者を迎える医療人としてもっと新しい情報を取り入れて研鑽していかなければいけないと感じました。

来週2名のIVH患者が退院し、在宅予定との依頼が来ています。今からどきどきで心配です。

2008年02月24日

薬剤師と在宅医療

日本薬学会のホームページに昭和薬科大学 串田一樹先生が「在宅医療の進展と薬剤師」という項目で掲載されていました。いろんな意味で考えさせられる内容でしたので皆様に読んでいただきたくて掲載させていただきます。
 「高齢社会の到来によって医療提供のあり方も変化し、その中でも医療の機能分化が進み、従来は入院せざるを得なかった医療依存度の高い患者さんが居宅で療養できるようになってきた。最近では、在宅医療の進歩に寄与するような新薬の開発も行われており、一例を挙げると、2002年に我が国で承認された麻薬性鎮痛剤フェンタニルの貼付剤は皮膚から吸収されて持続的に全身に作用するものであり、経口モルヒネ剤の服用が困難ながん患者でも注射によらない疼痛コントロールが可能となったことから、在宅医療の可能性が大きく広がっている。在宅医療の進展に伴い、薬剤師が居宅を訪問して薬剤の管理や指導を行うことも重要な業務となり、薬物療法全般について臨床判断が求められるとともに、患者、家族や他の医療職とのコミュニケーションも不可欠になっている。薬剤師は在宅医療を担うという観点からも、これまでよりさらに高い資質が求められる新たな時代を迎えた。」

 今年の4月に医療法改正が行われ薬局の診療報酬も在宅医療を行う方向で傾いてきているのも事実のようです。いままで、温室の中で育ってきた薬剤師がどうのような形で在宅に関与していくのかすごく不安に感じます。私も在宅を始めて11年目に入りましたが、もう一度いろんな面で在宅医療の見直しを
行ってみようと思います。