食後じゃないと飲んだらいけないの?
一部の薬を除いて、多くの薬はいつ飲んでも効果があります。
特に風邪をひいて食事がとれない時や、検査で絶食をしている時なども空腹時に薬を飲ませることはあります。 午前中に来局された患者さんには、『本日は帰宅後すぐと昼過ぎ・寝る前の3回食事に関係なく服用する』よう指導する場合があります。
食事が不規則になった場合や、食欲がなくて食べないときは、必ず薬剤師に相談して下さい。 薬によっては出来ないものもあります。
のみ忘れてしまったときは?
特殊な場合を除いて、飲み忘れを気付いた時に服用して下さい。 その時に注意して欲しいのは朝・昼など2回分を一緒に飲まないで下さい。
細かい服用の仕方は、患者さん個々で違います。かかりつけ薬局の薬剤師に「のみ忘れたときはどうすればよいのか」を確認しておいて下さい
2回分まとめて飲んだら、副作用の起きる確率がグンと高くなります。
◆食前 食事をする20~30分前に服用することです。 糖尿病の薬、おなかの動きを良くしてムカムカをとる薬、食事によって効果 の弱まる薬、食欲増進剤などがこの時間帯に服用します。 ◆食後 食事が終わってから30分以内に服用することです。 ほとんどの薬がこれに該当します。 消化を助ける薬、薬による胃腸障害(副作用)を軽減する目的もあります。 ◆食間 食後2~3時間後(空腹時)に服用することです。 胃の粘膜を保護する薬、食事と一緒に服用すると食事の栄養分を吸い取ってしまうような薬、 逆に食事の影響を受け効果が弱くなる薬はこの時間帯に服用します。
飲んだ薬は、消化器官から吸収され、血液に入り、必要とされる臓器に達して効果 を発します。 多くの薬が効果を発するためには、血液中の薬の濃度(血中濃度)が適切に保たれなければなりません。 下の図ので示すように有効な濃度に入っていなければなりません。多く飲むと中毒を起こす濃度の領域に入ったりします。また、薬の量 が少なかったり、飲み忘れたりすると無効な濃度のところに入り、効果がなかったりします。 必要な血中濃度を維持するため、決められた量と決められた服薬時間を守って服薬することが大切です。
薬を飲むのに、オブラ-トがないと粉薬が飲めない人やカプセルや錠剤をそのまま飲めずに噛んで飲んだりする方がおられます。一般的に錠剤やカプセルは服用しやすく、持ち運びにも便利ですし、散剤では味が悪く服用しにくい場合にもその味を気にせずに服用できます。これらの錠剤・カプセルは噛んで服用しても味が悪いなどで、特に問題はないのですが、一部の薬には錠剤やカプセルには重要な役割があるので、注意していてください。 その重要性について記載します。 腸溶剤 薬は食物と同じように胃で溶けるのですが、胃で溶けると薬の効果が無くなる場合や、胃で溶けると副作用が強く出る薬に多く使われます。 これらの薬を噛んで服用したりすると、薬が胃酸にふれて、効果が無くなったり、潰瘍などの副作用が起きることがあります。 徐放性 胃や腸でゆっくり溶けて一日に少ない服用回数で長い効果を持たせる場合に使われます。 これらの薬を噛んで服用したりすると、薬が急に溶けだし、血中濃度が上がり、副作用が起きることがあります。 もし、錠剤が飲みにくいとかありましたら、自分で判断せず医師・薬剤師に相談してください。いろいろな形の薬があるので、貴方にあった形を見つけてくれると思います。
加齢とともに運動神経が衰え、食べ物や飲み物を飲みにくくなってきます。 錠剤やカプセルが飲みにくい場合は、自分であれこれ悩まずに医師や薬剤師に相談してください。錠剤を半分に割ったり、同じ薬効の粉薬に変えたりと飲みやすい形の薬に変えることができます。ただし、自分の判断で錠剤を砕いたり、カプセルをはずして中の粉だけを飲んだりということはしないでください。
もらってきた薬に食事30分後に飲んでくださいと書いてありましたが、調子が悪く食事はとりませんでした。こんな時薬は飲まなくてもいいのですか?という質問が最近多くなっています。 病院でもらう薬の多くは食後30分で服用してください。という記載が多くなっています。 実際食後に服用しなければ効果のないものはほんの一握りです。忘れないためとか、胃に負担をかけないためとかいろいろな理由はあると思いますが、食事をとれないときは食事の時間になったら薬だけども服用してください。 上記に記載してある血中濃度のことを考えると、薬だけでもきちんと飲んでいる方が病気も早く治癒すると思います。 ただし、食前、食間の薬は食事の影響を受けたり、他の目的があったりするので主治医、薬剤師に相談してください。