2011年01月10日

トローチの使い方

 トローチは、口の中でなめて、徐々に溶かすことによって、口やのどの細菌を殺したり増殖を防いだりする目的で使用します。

トローチはゆっくり溶けるように他の錠剤より固めに作ってあります。
口の中でゆっくりと溶かして下さい。かみ砕いたり、飲み込んだりせず、できるだけ長く口の中に含んで溶かして下さい。

トローチが口の中で全部溶けてから20~30分くらいは、お茶を飲んだり、食物を食べたりしないで下さい。喉に着いた薬成分が流れてしまいます。

使い方とは関係ないけど・・・・。
トローチの穴
穴の開いていないトローチ剤もあるのですが、製品の多くには穴が開いています。

トロ-チと言う言葉はギリシャ語のトロストコが語源とされています。こ
のトロストコは小さな車輪をと言う意味があります。その名のとおりトローチ剤には
車輪のように真ん中に穴が開いています。

しかし、トローチ剤は最初から車輪のように穴が開いていたわけではありません。ふつうの錠剤よりも大きめなので子供の喉に引っかかりやすく、子供がトローチを喉に詰まらせて窒息死するという事故が相次いで起こりました。

そのため、トローチに穴を開ければ空気が通って窒息死を防ぐことできるという理由から現在の穴の開いたトローチになりました。この穴を開けたトローチが普及することで、子供が喉に詰まらせて窒息死する事故は減少していきました。

それでは明治製菓が発売しているSPトローチ
薬物は塩化デカリニウムで、どう考えてもSPとは関係ありません。

SPは剤型から名付けられたといわれています。
SPトローチは上記で述べたような車輪のようなトローチで。
トローチを重ね合わせていくと”ちくわ状”の形状となります。
これが”糸巻き”に似ているため、「糸巻き=Spool」から「SP」をとって名称につけたものだそうです。

まあ、トローチの使い方とは全く関係ないことも書きましたが、話のネタに使ってみて下さい。

2011年01月03日

うがい薬の使い方

 うがい薬は、口や喉の細菌を殺して、炎症を鎮める効果があります。
主に風邪症状(咽頭炎や喉頭炎、扁桃炎等)で喉が痛い時や、抜歯後の感染予防に使います。

○うがい薬の種類
うがい薬(含嗽薬)には、大きく分けて殺菌消毒の効果を持つものと鎮痛消炎用を持つものに分けられます。

殺菌消毒用の薬は、風邪の予防や口内炎の治療などに使われます。
主成分はポビドンヨード、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、塩化ベンゼトニウム等。
鎮痛・消炎用の主成分は、アズレンスルフォン酸ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、塩化リゾチーム等。

<使い方>
 多くのうがい薬は使用する前に水又はぬるま湯で薄めて使います。

 薄めたり、溶かしたりする割合は、それぞれの製品によって違いますので、医師・薬剤師の指示通りに行って下さい。

<効果的なうがいの仕方>
 1日3~4回、薄めたうがい薬を適量(10~20ML)口に含み、天井が見える程度に上を向いて、のどの奥までうがい薬が行き渡るように、ガラガラを繰り返して吐き出して下さい。これを数回繰り返す。

あまりたくさんの溶液を口に含みうがいをした場合、口の中で泡だってそれが飛び跳ね、洋服や洗面所等を汚す場合があるので注意して下さい。
冬場など、冷たい水で作ったうがい薬を使用した場合、喉に痛みを感じる方がおられます。そのような時はぬるま湯でうがい薬を作ってみて下さい。

・口内炎、など粘膜に炎症や傷のある場合のうがい
 1日3~4回(出来れば食後と寝る前)、薄めたうがい薬を適量(10~20ML)口に含み、頬を左右に交互にふくらませて移動させ、歯の間まで洗い出す要領でブクブクを繰り返して吐き出して下さい。


共通して言えること

うがい薬は飲み込まないようにして下さい。

抜歯後の校区内消毒の場合、激しいうがいは避けて下さい。

ポピドンヨードを含むうがい薬よって銀歯などが変色する場合があります。

甲状腺の疾患のある方は、ポピドンヨードを含むうがい薬を使用できないことがあります。主治医や薬剤師に相談して下さい。

使い残った液は捨てて下さい。

2010年08月12日

点眼剤の点眼順序について

目薬の点眼順番について質問がありました。

2種類以上の点眼薬がある場合、どれを先に点眼するかという決まりはありません。それより、点眼順序より、点眼の間隔を5分以上あけるということが重要です。

でも、あえて順序をつけると

1. 最も効果を期待する点眼剤を、最後に点眼します(流される心配がないため)。

2. 水溶性点眼剤 → 懸濁性点眼剤(振る目薬) の順番。

3. 眼軟膏を使用する場合は、眼軟膏を一番最後に使用する。

4. 特別に医師から指示のあった場合は、医師の指示通りにする。

5分以上あけるとは、きちんと時計で計る必要はありません。
私が患者さんに話すのは、2本をさす場合は、1本を食前にさして、後1本を食後にさすように話します。

さす本数が増えれば、その前後で増やしていくと良いと思います。 

2006年06月01日

坐薬の使用方法

坐薬の多くは解熱剤・痛み止め・吐き気止め・痔の薬・ケイレン止めです。
 
先のとがった方を肛門から挿入します。挿入後、坐薬が出てこないよう5秒ほど押さえてください。
挿入しにくい場合は、坐薬の先の方を水で濡らしてから挿入してください。

Q.坐薬挿入後にうんちをしたらどうするの?
 坐薬は排便後に挿入するのが良いのですが、こどもの急な発熱やけいれん発作などの緊急な場合にはそうはいきません。こどもの場合、肛門を刺激するため坐薬を挿入してうんちをする場合があります。けいれん止めの坐薬の場合は主治医にすぐ連絡をして指示を受けて下さい。
 ここでは、解熱剤の坐薬の対処方法について書いておきます。坐薬挿入後やうんちと一緒に坐薬の本体がきれいな状態で出てきたら、新しいものを指示された量、挿入してください。1時間以上経ってうんちをした場合は形はなく油がうんちと一緒にでてきますが、薬物の吸収は終わっているので心配はないのですが、10分~20分ぐらいでうんちをした場合はほとんどが溶けて本体がそのまま出てくることはありません。それに薬物の吸収も始まっているし、どれだけ薬物が吸収されたかも解らないので、新しいものを指示された量使うと副作用の起こる場合があります。そのようなときは、再度坐薬を使わずに経過を観察してください。30分~1時間おきに熱を計り、熱が上がってきたら、こどもの様子を見ながら、6時間以内でもかまわないので使用して下さい。熱が上がっていても、元気にしているようならば、すぐに使う必要はありません。

Q.坐薬保管方法
 坐薬は、冷所で保管するものと室温で保管できるものがありますが、室温が高いと坐薬が柔らかくなってしまいますので冷蔵庫などの冷所に保管するのがよいでしょう。
 また、坐薬も他の薬品同様使用期限があるので、薬をもらったときの袋に入れ日付を入れ、いつもらったか判るようにしておきましょう。1年以上経ったものは処分するのが望ましいでしょう。

2001年06月01日

点眼薬の使用方法

座った状態で、頭を後ろに向け、上の方を見ます。下まぶたを軽く下に引いて(アッカンベーをする要領で)、まぶたのポケットを作ります。 このとき眼球に触ったり圧迫しないように注意しましょう。
点眼容器の先端がまつ毛やまぶたに触れると中の液が汚染されますから、 ふれないように注意しましょう。
逆の手で点眼液をまぶたのポケットに1滴落とします。点眼液は1滴入れば充分です。
点眼後、30秒ほど眼を閉じたり、数分目頭を軽く抑えるとよいでしょう。 液が眼から口の中へ流れ出すのを防ぐ効果があります。良く分からない場合は、 主治医・薬剤師に相談して下さい。
2種類以上指す場合は3~5分程度開けて点眼してください。 2種類の場合は1本を食前、1本を食後に点眼したりすると良いですよ。
◆保管方法
冷所保存の分は冷蔵庫に保管してください。しかし、一度使い出したものは冷蔵庫ではなく風通 しの良いところで直射日光を避け保管してください。
◆注意事項
目薬の先を手で触ったり、目に触れたりしないように注意して下さい。



湿布薬の使用方法

◆湿布剤について
パップ剤、テープ(プラスター)
パップ剤は水分を多く含むので患部の冷却に使用します。打撲や筋肉痛等の急性疾患に対して冷却と鎮痛効果 で痛み、腫れ、熱感を改善します。プラスター剤は薄いので貼付け部位が目立たず、粘着力が強いので関節や動く所にも使用し易くなっています。剤形的に貼付け部位 の体温を上昇させ血行を良くします。
急性期はパップ剤、慢性期はプラスター剤が一つの目安です。貼付け時間は1日2回の貼りかえが必要ですが、24時間貼りっぱなしだとかぶれが出てきて使用できなくなる為、1日のうち使用しない時間を作るよう心がけて下さい。
最近は下肢の関節にパップ剤を使い、歩いたりするとそれが原因で反対の関節が悪くなるとの報告もあります。
昼間は塗り薬、夜間は湿布剤等、使い分けも必要ではないかと思います。
またプラスター剤で1日5枚以上を長期使用した場合、胃潰瘍の副作用も報告されているので長期使用は出来るだけ避けて下さい。
基本的によく伸びるようになっていますので、患部にあわせて少しずつ張っりながら貼ってください。ライナー(透明フィルム)を半分はがしながら貼るといいです。 医師の指示に従って1日1~2回貼付してください。 夏場になると汗をかいてかぶれやすくなるので、湿布を貼らない時間を作ってください。
 
ひざや肩などには、二つに折り縦に切り込みをいれ、中央を切ってから貼ると、しわになりにくく、はがれにくくなります。裏の透明フィルムをつけたまま、3cmくらいはさみを入れてみましょう。
    
     
ひざ、肩、肩甲骨のまわりの筋肉などに応用できます。
 
首筋から肩にかけて、また足首や、ひざの裏側など、両側に曲がるところへ貼りたい場合は、二つに折り、両脇に切り込みがはいるようにはさみをいれます。
   
 
◆冷湿布と温湿布の使い分け
 湿布薬には冷湿布と温湿布があります。
 冷湿布薬は急性期の熱をもった炎症やはれに効果があり、熱を取ることが得意な湿布です。打ち身やねん挫、急性の痛みの場合に使います。
 温湿布薬にはトウガラシエキスが入っていて、血行をよくする働きがあり、慢性期の筋肉が堅く血行が悪い状態を改善します。肩こり・腰痛・筋肉痛に使われます。
 打ち身やねん挫には、はじめの熱を持っている時期には冷湿布を使用し、痛みやはれが軽くなったら温湿布に替えるといいでしょう。
 温湿布薬はトウガラシエキスが入っているため刺激感があります。はがしてすぐにおふろに入ると、痛みを伴うこともあります。せめておふろに30~60分前には、はがすようにしてください。
 また、入浴後に湿布剤を貼ると冷たくて気持ちがいいのですが、体は入浴後で、熱を持っています。その上に湿布剤を貼ると汗をかき湿布がはがれやすくなったり、かぶれ易くもなるので、入浴後も30分は使用しない方がいいでしょう。
 基本的なことはさておき、冷湿布と温湿布、どちらの湿布を使うかは、使用する患者や様の好みになります。使用して気持ちがいいものを使用するのが一番かもしれません。

軟膏の使用方法

◆軟膏・クリーム〔皮膚疾患)
患部に薄くのばして下さい。湿布する場所を間違えないように注意して下さい。頭、顔、体、腕、足等は部位 によって皮膚の厚さが異なり、使用する外用剤も変わってきます。
ステロイド〔ホルモン〕剤は現在5段階の強さに分類されており、顔には一番弱いステロイド剤が多く使われます。
体に使う強いステロイド剤を使ったりすると副作用の起きる原因になることがあります。
使用回数は1日1~2回程度です。特に顔や腕等、日光の当たる所は副作用防止の為、夜入浴後の1回程度にとどめるのが良いでしょう。


◆軟膏・クリーム・ゲル剤(鎮痛)
すり込む時は痛い部分より広めに使うことが大事です。
使用する部位によくすり込んで下さい。ただ単に塗っただけでは鎮痛効果は弱くなります。
また、ゲル剤はアルコールを基剤にしている為、ただ塗っただけではベタベタして気持ちの悪い薬になります。3~5分間マッサージをするとベタベタ感が無くなり、さらにマッサージを続けると薬のカスが出てきます。面 倒ですがここまで使用して下さい。
1日3~4回使用するのが目標ですが、1日中こればかりすることは不可能です。自分で使用できる時間を見つけ、最低でも1日1回は使うようにしてみて下さい。


◆軟膏とクリームの違い
外用剤では同じ主成分でもそれを使っている基剤によって違う製品になります。
クリーム剤は皮膚への浸透性がよく、またのびも良いので使用感、使い勝手が良いです。しかし患部が湿潤していたり、びらん部位 には使用できません。また皮膚刺激もあります。
軟膏は保湿、皮膚保護作用、肉芽形成作用等、使用範囲は広いのですが使用感が悪く、べとつきがあります。 また冬場は固くて使いにくく、夏場は気温の為、少しどろっとなります。

外用薬の使用方法

病院や薬局で外用剤(目薬、塗り薬、シップ剤等)をもらってきた時、1つの薬を幾つかもらった場合、 一度にすべての薬を開封するより1つを使い終わってから新しいものを使用することをお勧めします。
その理由は、一度開封すると薬の効力低下、汚染等がある為、記載してある期限まで使用出来なくなるからです。 また、どれをいつ開封したかということを記載しておき、使用期限の目安にすると便利です。